生成AIをどう活用するか――業界別動向を探る
ChatGPT(チャットGPT)に代表される生成AIが社会を大きく変えようとしている。ビジネスや行政の現場ではどのように利用されるのか。業界別に解説する。
従来のAIと生成AIは何が違うのか。ビジネスではどんな分野で活用できそうか。営業、マーケティング、カスタマーサポート、研究開発、人事、経理などさまざまな職種で可能性が広がっている。活用例のデモ動画も交えて紹介する。
消費者の嗜好に合わせて広告を表示するサービスはすでにあるが、それは購買履歴や閲覧履歴に基づいたもの。生成AIは消費者との対話を通じて、これまで掘り起こせなかった潜在ニーズを把握し、その人に合った商品やサービスを提案することができる。
FinTech(フィンテック)という言葉があるように、過去、デジタル化やビッグデータ活用などさまざまな技術に注目が集まったが、部分的な導入・改善にとどまり、変革が組織全体に及ぶことはあまりなかった。しかし、今回は「本当の破壊」が起きる可能性が高まっている。
製薬会社にとって、先進的な医薬品の開発は社の命運を握るが、その過程は非常に長く、莫大なコストがかかる。成功確率は2万~3万分の1と言われるこの世界で生成AIが果たす役割は大きい。また「患者に寄り添うAI」が医師と患者の関係も変えそうだ。
政府や自治体の業務は、複雑な法律や膨大な規則に則って、政策を立案したり、文章を作成したりすることだ。精緻な作業には多大な労力と時間を要するが、自然言語処理に長けた生成AIなら、さまざまな業務の効率を高め、行政の働き方そのものを変革し得る。